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A 1154

:2011

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  共通事項

2

5

  分析試料の採り方及び取扱い方

2

5.1

  分析試料の採り方

2

5.2

  試料の保存 

2

6

  試料のはかりとり量

2

7

  全塩化物イオンの抽出方法 

3

7.1

  方法概要 

3

7.2

  試薬

3

7.3

  装置及び器具 

3

7.4

  操作

3

7.5

  分取量又は希釈率

4

8

  試験方法

4

9

  塩化物イオン電極を用いた電位差滴定法 

4

9.1

  概要

4

9.2

  試薬

4

9.3

  装置及び器具 

5

9.4

  操作

5

9.5

  計算

6

10

  チオシアン酸水銀(II)吸光光度法 

6

10.1

  概要

6

10.2

  試薬

7

10.3

  装置及び器具 

7

10.4

  操作

7

10.5

  計算

8

11

  硝酸銀滴定法 

8

11.1

  概要

8

11.2

  試薬

8

11.3

  器具

9

11.4

  操作

9

11.5

  計算

9

12

  イオンクロマトグラフ法 

9

12.1

  概要

9


A 1154

:2011  目次

(2)

ページ

12.2

  試薬

9

12.3

  器具及び装置 

10

12.4

  準備操作 

10

12.5

  操作

10

12.6

  計算

11

13

  結果

11

14

  報告

11

14.1

  必ず報告する事項

11

14.2

  必要に応じて報告する事項

11

附属書 A(参考)硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン分析用試料の採取方法 

12

附属書 B(参考)硬化コンクリート中に含まれる温水抽出塩化物イオンの分析方法 

15

附属書 C(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 

18


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:2011

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,公益社団法人日本

コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 1154:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 A

1154

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硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの

試験方法

Methods of test for chloride ion content in hardened concrete

適用範囲 

この規格は,硬化コンクリート中の,硝酸で抽出される塩化物イオンの試験方法について規定する

1)

なお,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を

附属書 に記載する。

1)

  硝酸で抽出される塩化物イオンは,硬化コンクリートに含まれる塩化物イオンの全量と考えら

れている。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS K 8102

  エタノール(95)

(試薬)

JIS K 8230

  過酸化水素(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8550

  硝酸銀(試薬)

JIS K 8617

  炭酸カルシウム(試薬)

JIS K 8646

  デキストリン水和物(試薬)

JIS K 8830

  ウラニン(試薬)

JIS K 8982

  硫酸アンモニウム鉄(III)

・12 水(試薬)

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 1301

  化学分析用磁器るつぼ

JIS R 1302

  化学分析用磁器蒸発ざら

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 0701

  包装用シリカゲル乾燥剤

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。


2

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3.1 

全塩化物イオン 

硬化コンクリートから硝酸で抽出される塩化物イオンの量。

共通事項 

分析方法に共通な一般事項は,次による。

a)

通則  化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

b)

水  水は,JIS K 0557 に規定する A4 と同等程度以上の純度をもつ水とする。

c)

試薬  試薬は,次による。

1)

試薬は,当該 JIS に規定する最上級の品質のものを用いる。

滴定液類の標定には,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質を用いる。

2)

試薬類の溶液の濃度は,特に断らない限り,質量濃度は g/l 又は mg/l,モル濃度は mol/l 又は mmol/l

で示す。

3)

試薬類の溶液名称の後に(  )で示されている濃度は,標準液以外は概略の濃度であることを意味

する。例えば,硝酸(2 mol/l)は約 2 mol/l の硝酸溶液であることを示す。また,溶液名の前に示さ

れる濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数のない数値で示し,別にファクター

を求めておく。

4)

標準液を薄めて低濃度の標準液を調整する場合には,特に断らない限り 10 ml 以上の全量ピペット

でとる。

5)

試薬類及び廃液などの取扱いについては,関係法令などに従い十分に注意すること。

d)

器具類  器具は,次による。

1)

ガラス器具は,特に断らない限り JIS R 3503 及び JIS R 3505 に規定するものを使用する。デシケー

ターに用いる乾燥剤は,JIS Z 0701 に規定する包装用シリカゲル A 形 1 種を用いる。

2)

磁器るつぼ及び磁器蒸発皿は,JIS R 1301 及び JIS R 1302 に規定するものを使用する。

3)

ろ紙は,JIS P 3801 に規定する定量分析用 5 種 B を使用する。ただし,ろ紙の寸法は,それぞれの

項目で規定する。

4)

特に断らない限り試薬の計量には,最小目盛り 0.1 mg 以下の化学天びんを用いる。

分析試料の採り方及び取扱い方 

5.1 

分析試料の採り方 

分析試料(以下,試料という)は,硬化したモルタル,コンクリートの供試体,採取コア,深さ方向別

に切断した試料片,ドリル粉などで,0.15 mm 以下に微粉砕したものを用いる。コンクリートコアを試料

とする場合,

附属書 A(参考)によって,粉砕,調整する。

5.2 

試料の保存 

試料は,吸湿しないようにデシケーターに保存する。

試料のはかりとり量 

上皿天びん又は電子天びんを用いて試料をはかりとる場合は,最小目盛り 0.01 g までの上皿天びん又は

電子天びんを用い,約 10 g を 0.01 g の桁まではかりとる。また,化学天びんを用いて試料をはかりとる場

合には,1∼10 g の範囲で,0.1 mg の桁まではかりとる。


3

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なお,試料のはかりとり量は,コンクリート中の塩化物イオンの含有量が多い場合には試料の量を少な

くするのが好ましい。

全塩化物イオンの抽出方法 

7.1 

方法概要 

試料に硝酸(1+6)を加えて溶液の pH を 3 以下とした後,加熱煮沸して塩化物イオンを抽出する。チ

オシアン酸水銀(II)吸光光度法,硝酸銀滴定法による場合,あらかじめ炭酸カルシウムを加えて pH を約

7 に調整し,静かに煮沸する

2)

。その後,不溶分をろ過洗浄し,ろ液を作成する。

なお,電位差滴定法で,ろ過の工程が不要な場合は,これを省略してもよい。

2)

  炭酸カルシウム(試薬)には,不純物として塩化物が含まれていることがあるので,注意する

必要がある。

7.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)

硝酸(16)  JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調整する。

b)

硝酸(11)  JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調整する。

c)

炭酸カルシウム  JIS K 8617 に規定するもの。

d)

過酸化水素  JIS K 8230 に規定するもの。

7.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のものを用いる。

a)

ビーカー(200 ml)

b)

時計皿

c)

ガラス漏斗

d)

ブフナー漏斗

e)

吸引装置

f) pH

試験紙

g)

全量フラスコ(200 ml)

7.4 

操作 

塩化物イオンの抽出操作は,次による。

a)

試料を乾いたビーカー(200 ml)にはかりとり,時計皿で覆う。硝酸(1+6)70 ml をビーカーの縁か

ら徐々に加える。

b)

激しい反応が終わったら,溶液をかき混ぜて,溶液の pH が 3 以下であることを確かめる。pH が 3 以

上であれば,更に通常の場合は硝酸(1+6)を加えて 3 以下にする。石灰岩などの炭酸塩を含む骨材

が使用されている場合,硝酸(1+1)を使用する。このとき,小さく切り取った pH 試験紙を溶液に

落として,pH を確認するとよい。

c)

時計皿で覆ったまま,ビーカーを加熱し,5 分間静かに煮沸した後,常温まで冷却する。高炉スラグ,

フライアッシュ,スラグ細骨材又は塩化物イオン分析に影響を及ぼす成分を含むおそれがある場合は,

過酸化水素 1 ml を加えて黄緑色から薄茶色に変化するまで静かに煮沸し,妨害物質を酸化する。水中

不分離性コンクリート用混和剤などの増粘性の有機物が使用されていると,ろ過が困難となることが

ある。この場合は硝酸(1+1)を更に 5 ml 加えて 30 分間静かに煮沸し,有機物を分解する。このと

き,時計皿に付着している水滴はビーカーに戻す。ただし,チオシアン酸水銀(II)吸光光度法,硝


4

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酸銀滴定法による場合は,常温まで冷却する前に炭酸カルシウム 15 g を加えて pH を約 7 に調整し,

再加熱する。

d)

ガラス漏斗(内径 75 mm,ろ紙 5 種 B15 cm)を用いてビーカー(200 ml)にろ過又はブフナー漏斗及

びろ紙(5 種 B11 cm)を用いて,吸引ろ過し,水でよく洗浄する。ろ液及び洗液を全量フラスコ(200

ml)に移し,水で定容にする。ろ液及び洗液を合わせた量はほぼ 120 ml 程度となるので,自動電位差

滴定装置に附属するオートサンプルチェンジャーにそのままかけられる場合には,定容としなくても

よい。

7.5 

分取量又は希釈率 

試料溶液からの分取量又は希釈率は,箇条 から箇条 12 の各試験方法に示す。

試験方法 

塩化物イオンの定量は,次のいずれかの方法とする

3)

a)

塩化物イオン電極を用いた電位差滴定法

b)

チオシアン酸水銀(II)吸光光度法

c)

硝酸銀滴定法

d)

サプレッサ方式のイオンクロマトグラフ法

3)

  電位差滴定法,チオシアン酸水銀(II)吸光光度法及び硝酸銀滴定法による場合,亜硝酸イオン,

臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオンなどの妨害イオンについて考慮する必要が

ある。また,チオ硫酸イオン,硫化物イオン及び亜硫酸イオンも妨害するので,試料ろ液をあ

らかじめ酸化しておく必要がある。

塩化物イオン電極を用いた電位差滴定法 

9.1 

概要 

箇条 の操作で得られたろ液の一部を分取し,塩化物イオン電極を用いた電位差滴定装置にセットし,

0.005 mol/l,0.01 mol/l 若しくは 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定する。

9.2 

試薬 

試薬の調整は,次による。

a)

フルオレセインナトリウム溶液(2 g/l)  JIS K 8830 に規定するフルオレセインナトリウム 0.2 g を水

に溶かして 100 ml とする。

b)

デキストリン溶液  JIS K 8646 に規定するデキストリン水和物 2 g を水に溶かして 100 ml とする。使

用時に調整する。

c)

0.1 mol/l

塩化物イオン標準液  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウムを 600  ℃

で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。塩化ナトリウム 1.169 g をとり,少量の水に溶かして

全量フラスコ 200 ml に移し入れ,水を標線まで加える。

d)  0.01 mol/l

塩化物イオン標準液  0.1 mol/l 塩化物イオン標準液 20 ml を全量フラスコ 200 ml にとり,水

を標線まで加える。

e)

0.005 mol/l

塩化物イオン標準液  0.1 mol/l 塩化物イオン標準液 10 ml を全量フラスコ 200 ml にとり,

水を標線まで加える。

f)

0.1 mol/l

硝酸銀溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 17 g を水に溶かして 1 L とする。着色ガラス瓶に

保存する。


5

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g)  0.01 mol/l

硝酸銀溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 1.7 g を水に溶かして 1 L とする。若しくは f)

操作によって得た 0.1 mol/l 硝酸銀溶液 20 ml を全量フラスコ 200 ml にとり,水を標線まで加える。着

色ガラス瓶に保存する。

h)  0.005 mol/l

硝酸銀溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 0.85 g を水に溶かして 1 L とする。若しくは f)

の操作によって得た 0.1 mol/l 硝酸銀溶液 10 ml を全量フラスコ 200 ml にとり,水を標線まで加える。

着色ガラス瓶に保存する。

標定  標定は滴定に用いる濃度の硝酸銀溶液について実施し,ファクター(f)を算出する。0.1 mol/l

の硝酸銀溶液を用いる場合 0.1 mol/l の塩化物イオン標準液 20 ml を,0.01 mol/l の硝酸銀溶液を用いる

場合 0.01 mol/l の塩化物イオン標準液 20 ml を,更に 0.005 mol/l の硝酸銀溶液を用いる場合 0.005 mol/l

の塩化物イオン標準液 20 ml をビーカーにとり,水を加えて液量を約 50 ml とし,これにデキストリ

ン溶液を 5 ml 及び指示薬としてフルオレセインナトリウム溶液(2 g/l)3∼4 滴を加え,静かにかき混

ぜながら,所定濃度の 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で標定する。黄緑の蛍光が消失して,僅かに赤くなったと

きを終点とする。次の式によって各濃度の硝酸銀溶液のファクター(f

i

)を算出する。

  なお,炭酸ナトリウム粉末を極少量加えると,終点が判定しやすい。

844

005

.

0

1

200

20

100

1

.

0

1

.

0

×

×

×

×

=

X

b

a

f

ここに,

a

0.1

塩化ナトリウムの量(

g

b

塩化ナトリウムの純度(

%

X

標定に要した

0.1 mol/l

硝酸銀溶液

0.005 844

0.1 mol/l

硝酸銀溶液

1 ml

の塩化ナトリウム相当量(

g

4

584

000

.

0

1

200

20

100

01

.

0

01

.

0

×

×

×

×

=

X

b

a

f

ここに,

a

0.01

塩化ナトリウムの量(

g

b

塩化ナトリウムの純度(

%

X

標定に要した

0.01 mol/l

硝酸銀溶液

0.000 584 4

0.01 mol/l

硝酸銀溶液

1 ml

の塩化ナトリウム相当量

g

2

292

000

.

0

1

200

20

100

005

.

0

005

.

0

×

×

×

×

=

X

b

a

f

ここに,

a

0.005

塩化ナトリウムの量(

g

b

塩化ナトリウムの純度(

%

X

標定に要した

0.005 mol/l

硝酸銀溶液

0.000 292 2

0.005 mol/l

硝酸銀溶液

1 ml

の塩化ナトリウム相当量

g

9.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のものを用いる。

a)

塩化物イオン電極を用いた電位差滴定装置

b)

ビーカー

c)

全量ピペット

d)

マグネチックスターラー

9.4 

操作 

電位差滴定法の操作は,次による。

a)

滴定に用いる硝酸銀溶液の濃度は,

0.1 mol/l

0.01 mol/l

若しくは

0.005 mol/l

の中から,想定される塩


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化物イオン濃度によって,

表 を参考に適切なものを選定する。

表 1−想定される塩化物イオン濃度及び使用する硝酸銀溶液の濃度 

想定される塩化物イオン濃度(%)

硝酸銀溶液濃度(mol/l)

              0.2 以上 0.1 
              0.02 以上  1.0 未満 0.01 
                                0.5 未満 0.005

b) 

箇条 の操作で得た試験溶液を

表 によって,全量ピペットを用いてビーカー(

200 ml

)に分取し,

水で約

50 ml

に薄める。このとき,必要に応じて炭酸カルシウムによる中和処理を行う。

表 2−試料溶液の分取量

0.1 mol/l 硝酸銀溶液 0.01

mol/l 硝酸銀溶液 0.005

mol/l 硝酸銀溶液

塩化物イオン

(%)

分取量 
(ml)

塩化物イオン

(%)

分取量
(ml)

塩化物イオン

(%)

分取量
(ml)

  0.2 以上  2.0 未満 
  0.5 以上  5.0 未満 
  1.0 以上

50 
20 
10

0.02 以上  0.2 未満 
0.05 以上  0.5 未満 
0.1 以上    1.0 未満

50 
20 
10

                      0.1 未満 
0.025 以上  0.25 未満 
0.05 以上   0.5 未満

50 
20 
10

c)

マグネチックスターラーでかき混ぜながら,硝酸銀溶液で電位差滴定する。試料溶液の塩化物イオン

濃度が薄い場合は,滴定溶液を更に希釈して使用してもよい。ただし,その場合には,塩化物イオン

濃度の計算時に希釈倍率を考慮する。

d)

空試験として,試料を用いないで a)c)の操作を行って電位差滴定量を求め,試料について得た電位

差滴定量を補正する。

9.5 

計算 

次の式によって,試料中の塩化物イオンの濃度(

%

)を算出する。

α

545

003

.

0

100

200

×

×

×

×

=

X

W

f

V

C

i

ここに,

C: 塩化物イオン(%)

V: 滴定に要した 0.1 mol/l 硝酸銀溶液(ml)

f

i

i mol/l 硝酸銀溶液のファクター

X: 分取量(ml)

W: 試料(g)

0.003 545: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液 1 ml の塩化イオン相当量(g)

α: 硝酸銀溶液の濃度に関する係数

0.1 mol/l 硝酸銀溶液のとき,α=1

0.01 mol/l 硝酸銀溶液のとき,α=10

0.005 mol/l 硝酸銀溶液のとき,α=20

10 

チオシアン酸水銀(II)吸光光度法 

10.1 

概要 

箇条 の操作で得られたろ液の一部を分取し,チオシアン酸水銀(II)及び硫酸アンモニウム鉄(III)

を加えたとき,塩化物イオンによって置換されたチオシアン酸イオンと鉄(III)とが反応して生じるだい

だい赤の錯体の吸光度を測定して,塩化物イオンを定量する。


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なお,この方法では,水銀化合物を使用するため,試験後の廃液の処分に注意する。

10.2 

試薬 

試薬の調整は,次による。

a)

硫酸アンモニウム(III)硝酸溶液(100 g/l)  JIS K 8982 に規定する硫酸アンモニウム鉄(III)・12

水和物 50 g を硝酸(6 mol/l)

JIS K 8541 に規定する硝酸 225 ml に水を加えて 500 ml とする。

)に溶

かし,500 ml とする。濁りがあればろ過し,褐色瓶に入れて保存する。

b)

チオシアン酸水銀(II)エタノール溶液(3 g/l)  純度 99 %以上のチオシアン酸水銀(II)

(試薬)1.5

g を JIS K 8102 に規定するエタノール(95)に溶かし,500 ml とする。着色瓶に入れて保存する。

c)

塩化物イオン標準液(500 mgCl

/l

)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウムを

あらかじめ 600  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。塩化ナトリウム 0.824 g をとり,

少量の水に溶かし,全量フラスコ 1 000 ml に移し入れ,水を標線まで加える。若しくは,計量法に基

づく校正事業者によって校正された塩化物イオン標準液の 1 000 mgCl

/l,50 ml を全量フラスコ 100 ml

にとり,水を標線まで加える。

d)

塩化物イオン標準液(20 mgCl

/l

)  塩化物イオン標準液(500 mgCl

/l)10 ml を全量フラスコ 250 ml

にとり,水を標線まで加える。若しくは,計量法に基づく校正事業者によって校正された塩化物イオ

ン標準液の 100 mgCl

/l,20 ml を全量フラスコ 100 ml にとり,水を標線まで加える。

10.3 

装置及び器具 

装置及び器具は,次のものを用いる。

a)

分光光度計又は光電光度計

b)

共栓メスシリンダー

c)

全量ピペット

d)

全量フラスコ

10.4 

操作 

吸光光度法の操作は,次による。

a)

箇条 の操作で得た試験溶液を,

表 によって,全量ピペットを用いて共栓メスシリンダー50 ml に

分取する。水を加えて 50 ml とする。

表 3−試料溶液の分取量

塩化物イオン(%)

試験溶液の希釈

希釈率

分取量(ml)

          0.10 未満 
0.10 以上  0.50 未満

なし

1

50 
10

0.30 以上  1.00 未満 
1.00 以上  5.00 未満

10 ml を 100 ml に希釈

10 50

10

b)

硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 10 ml とチオシアン酸水銀(II)エタノール溶液 5 ml を加え,栓をし

てよく振り混ぜる。

c)

発色速度は温度によって異なるので,発色時の温度差が±2  ℃になるように,液温を約 20  ℃に保ち,

10 分間放置する。

d)

吸収セルに移し,水 50 ml について a)c)の操作を行った空試験の溶液を対象液とし,波長 460 nm 付

近の吸光度を測定し,検量線から塩化物イオンの量を求める。


8

A 1154

:2011

検量線  検量線の作成は,次のとおり行う。

塩化物イオン標準液(20 mgCl

/l)0∼25 ml を共栓メスシリンダー50 ml に段階的にとり,水を加えて

50 ml とした後,a)d)の操作を行って塩化物イオン(Cl

)の量と吸光度の関係線を作成する。

注記  臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオン,チオ硫酸イオンは妨害イオンとなる。ま

た,亜硝酸イオン,硫化物イオン及び亜硫酸イオンは妨害イオンとなるが,試料ろ液をあらか

じめ酸化することで妨害を避けることができる。

10.5 

計算 

次の式によって試料の塩化物イオンの濃度(%)を算出する。

100

50

000

1

200

10

3

×

×

×

×

×

=

K

X

W

S

C

ここに,

C: 塩化物イオン(%)

S: 検量線から求めた試料溶液中の塩化物イオン(mg/l)

X: 分取量(ml)

W: 試料(g)

K: 希釈率(1 又は 10)

11 

硝酸銀滴定法 

11.1 

概要 

箇条 の操作で得られたろ液の一部を分取し,デキストリン溶液及びフルオレセインナトリウム溶液を

指示薬として,硝酸銀溶液で滴定して塩化物イオンを定量する。

11.2 

試薬 

試薬の調整は,次による。

a)

フルオレセインナトリウム溶液(2 g/l)  JIS K 8830 に規定するフルオレセインナトリウム 0.2 g を水

に溶かして 100 ml とする。

b)

デキストリン溶液  JIS K 8646 に規定するデキストリン水和物 2 g を水に溶かして 100 ml とする。

c)

0.1 mol/l

塩化物イオン標準液  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウムを 600  ℃

で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。塩化ナトリウム 1.169 g をとり,少量の水に溶かして

全量フラスコ 200 ml に移し入れ,水を標線まで加える。

d)  0.1 mol/l

硝酸銀溶液  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 17 g を水に溶かして 1 L とし,着色ガラス瓶に保

存する。

標定  0.1 mol/l 塩化物イオン標準液 20 ml をビーカーに取り,水を加えて液量を約 50 ml とし,これに

デキストリン溶液 5 ml と指示薬としてフルオレセインナトリウム溶液(2 g/l)3∼4 滴を加え,静かに

かき混ぜながら,0.1 mol/l 硝酸銀溶液で標定する。黄緑の蛍光が消失して,僅かに赤くなったときを

終点とする。次の式によって 0.1 mol/l 硝酸銀溶液のファクター(f)を算出する。炭酸ナトリウム粉末

を極少量加えると,終点が判定しやすい。

844

005

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a: 塩化ナトリウムの量(g)

b: 塩化ナトリウムの純度(%)

x: 標定に要した 0.1 mol/l 硝酸銀溶液

0.005 844: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液 1 ml の塩化ナトリウム相当量(g)


9

A 1154

:2011

11.3 

器具 

器具は,次のものを用いる。

a)

全量フラスコ

b)

全量ピペット

c)

ビュレット(褐色)

11.4 

操作 

硝酸銀滴定法の操作は,次による。

a)

箇条 の操作で得た試験溶液を

表 によって,全量ピペットを用いてビーカー(200 ml)に分取し,

水で約 100 ml に薄める。

表 4−試料溶液の分取量

塩化物イオン(%)

分取量(ml)

              0.50 未満 
    0.50 以上  2.50 未満 
    2.50 以上

100 
 50 
 10

b)

デキストリン溶液 5 ml 及びフルオレセインナトリウム溶液(2 g/l)3∼4 滴を加えてかき混ぜる。

c)

静かにかき混ぜながら 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定する。黄緑の蛍光が消失して僅かに赤くなったとき

を終点とする。炭酸ナトリウム粉末を極少量加えると,終点が判定しやすい。試料溶液の塩化物イオ

ン濃度が薄い場合には,滴定溶液を希釈して使用してもよい。ただし,その場合は,塩化物イオン濃

度の計算時に希釈倍率を考慮する。

d)

空試験として,箇条 で操作した空試験溶液を用いて a)b)の操作を行って滴定量を求め,試験につ

いて得た滴定量を補正する。

11.5 

計算 

次の式によって試料中の塩化物イオンの濃度(%)を算出する。

100

200

545

003

.

0

×

×

×

×

=

X

W

f

V

C

ここに,

C: 塩化物イオン(%)

V: 滴定に要した 0.1 mol/l 硝酸銀溶液(ml)

f: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液のファクター

X: 分取量(ml)

W: 試料(g)

0.003 545: 0.1 mol/l 硝酸銀溶液 1 ml の塩化物イオン相当量(g)

12 

イオンクロマトグラフ法 

12.1 

概要 

箇条 の操作で得たろ液の一部を分取し,試料中の塩化物イオンをサプレッサ方式のイオンクロマトグ

ラフ装置によって定量する。

12.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)

容離液  容離液は,装置の種類及び分離カラムに充塡した陰イオン交換体の種類によって異なるので,

あらかじめ塩化物イオン,亜硝酸イオン,臭化物イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの分離を確認す


10

A 1154

:2011

る。

b)

再生液  再生液は,装置の種類及びサプレッサの種類によって異なるので,あらかじめ分離カラムと

組み合わせて再生液の性能を確認する。

c)

塩化物イオン標準液(1 000 mgCl

/l

)  JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウム

をあらかじめ 600  ℃で約 1 時間加熱し,デシケーター中で放冷する。塩化ナトリウム 1.648 g をとり,

少量の水に溶かし,全量フラスコ 1 000 ml に移し入れ,水を標線まで加える。若しくは,計量法に基

づく校正事業者によって校正された塩化物イオン標準液の 1 000 mgCl

/l を用いる。

d)

塩化物イオン標準液(100 mgCl

/l

)  塩化物イオン標準液(1 000 mgCl

/l)10 ml を全量フラスコ 100

ml にとり,水を標線まで加える。若しくは,計量法に基づく校正事業者によって校正された塩化物イ

オン標準液の 100 mgCl

/l を用いる。

12.3 

器具及び装置 

器具及び装置は,次のとおりとする。

a)

イオンクロマトグラフ  イオンクロマトグラフはサプレッサ方式で,次に掲げる条件を満たし,塩化

物イオン,亜硝酸イオン,臭化物イオン,硝酸イオン,硫酸イオンなどが分離定量できるものとする。

これは,硝酸で抽出した塩化物イオンの分析に当たっては,サプレッサを用いない方法では,硝酸イ

オンのテーリングのため塩素イオン濃度を測定できないためである。

b)

分離カラム  ステンレス鋼製又は合成樹脂製のものに,強塩基性陰イオン交換体(表層被覆形又は全

多孔性シリカ形など)を充塡したもの。

c)

検出器  電気伝導率検出器

d)

記録部  データ記録装置又は記録計とする。

12.4 

準備操作 

準備操作は,次のとおり行う。

a)

箇条 の操作で得た試験溶液を,孔径 0.45  μm のろ過膜又はろ紙 5 種 C(又はろ紙 6 種)でろ過し,

初めのろ液約 50 ml を捨てて,その後のろ液をとる。

b)

試料の電気伝導度が 10 ms/m(100 μS/cm)

(25  ℃)以上の場合には,電気伝導度が 10 ms/m 以下にな

るように,水で一定の割合に薄める。

12.5 

操作 

操作は,次のとおり行う。

a)

イオンクロマトグラフを作動できる状態にし,分離カラムに容離液を,サプレッサに再生液を一定の

流量で流しておく。

b)  12.4

の準備操作を行った試料の一定量(例えば,50∼200  μl の一定量)をイオンクロマトグラフに注

入してクロマトグラムを記録する。

c)

クロマトグラム上の塩化物イオンに相当するピークについて,指示値として得られるピーク高さ又は

ピーク面積を読み取る。

d)

試料を薄めた場合は,12.6 の計算時に希釈倍率を考慮する。

e)

検量線から得た塩化物イオンの量を求め,試料中の塩化物イオンの濃度(mgCl

/l)を算出する。

検量線  塩化物イオン標準液(100 mgCl

/l)0∼25 ml を段階的に全量フラスコ 100 ml にとり,水を標

線まで加える。この溶液について a)c)の操作を行ってそれぞれの塩化物イオンに相当するピークに

ついて,指示値ピーク高さ又はピーク面積を読み取る。別に,空試験として水について a)c)の操作


11

A 1154

:2011

を行ってそれぞれの塩化物イオンに相当する指示値を補正した後,塩化物イオン(Cl

)の量と指示

との関係線を作成する。検量線の作成は,試料の測定時に行う。

12.6 

計算 

次の式によって試料中の塩化物イオンの濃度(%)を算出する。

100

000

1

200

10

3

×

×

×

=

W

S

C

ここに,

C: 塩化物イオン(%)

S: 検量線から求めた試料溶液中の塩化物イオン(mg/l)

W: 試料(g)

13 

結果 

分析結果は,質量パーセントで小数点以下 3 桁まで求める。試験は,同一試料について 2 回行い,その

平均値を四捨五入によって小数点以下 2 桁に丸めて試験結果とする。また試料コンクリートの単位容積重

量が分かっている場合には,必要に応じて各々の試験から求めた塩化物イオン濃度を小数点以下 3 桁まで

求めて,単位容積質量当たりの塩化物イオン量(kg/m

3

)に換算し,四捨五入によって小数点以下 2 桁に丸

め,試験結果とする。この場合はコンクリートの単位容積質量を同時に報告する必要がある。

14 

報告 

14.1 

必ず報告する事項 

必ず報告する事項は,次による。

a)

対象構造物若しくは試料の名称

b)

試料の採取方法(例えば,コア,コアスライス,ドリル粉など)

c)

分析方法

d)

塩化物イオン濃度

14.2 

必要に応じて報告する事項 

必要に応じて報告する事項は,次による。

a)

分析年月日

b)

試料採取量

c)

塩化物イオン量及び単位容積重量


12

A 1154

:2011

附属書 A

(参考)

硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン分析用試料の採取方法

この附属書は,本体に関連する事項を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 

適用範囲 

この附属書は,コンクリートの耐久性を評価する目的で,硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン

を分析する場合のコンクリート試料の採り方について記述する。

A.2 

試験用器具 

試験用器具は,次による。

a)

鉄筋探査計  鉄筋探査計は,かぶり厚さ,鉄筋間隔が測定可能なものとする。

b)

コンクリート用コアドリル

c)

コンクリート用カッター  コンクリート用カッターは,乾式又は湿式のダイヤモンドカッターとする。

d)

ジョークラッシャー

e)

鉄乳鉢 

f)

振動ミル

g)

平底磁器蒸発皿

h)

ふるい  ふるいは,JIS Z 8801-1 に規定する公称目開き 150 μm の網ふるいとする。

A.3 

コアの径及び長さ 

コアの径及び長さは,次のとおりとする。

a)

鉄筋探査計を用いて,鉄筋を切断しないようにコア径を決める。コアの直径の最小寸法は,平均組成

となるよう,粗骨材の,最大寸法の 3 倍以上を原則とする。

注記  簡易な分析を行う場合には,粗骨材の最大寸法の 2 倍以下のコア又はコンクリート用ドリル

によって粉末試料を採取してもよい。粉末試料を採取する場合,150 μm 全通程度の細かさで

あれば,粉砕作業を省略することができる。

b)

コアの長さは,塩化物イオンの浸透深さ,練混ぜ時の塩化物イオンを求められるような長さを採取す

る。

A.4 

コアの採取時期及び方法   

コアの切取り時期及び方法は,次のとおりとする。

a)

コアの切取りは,供試体が破損したり,粗骨材が緩んだりしない時期に行う。

b)

コアの採取位置の選定に当たり,鉄筋探査計を用いてコアの採取位置を選定する。

c)

コアの採取位置に貝がらなどの付着物がある場合は,コアの採取に先駆けて付着物を除去しなければ

ならない。

d)

コアの切取りには,コンクリート用のコアドリルを用いる。

e)

コンクリート用コアドリルを固定し,冷却は水道水を用いてコアを採取する。


13

A 1154

:2011

f)

採取したコアは,すぐ新しいウェスで表面の水分を拭き取り,直射日光などに当たらないようにウェ

スで巻き,ポリエチレン製の袋に入れる。

g)

採取コアに採取位置,番号を記入し,採取箇所全景を写真に記録する。

A.5 

塩化物イオン分析試料の採り方及び調整 

A.5.1 

分析試料の採り方 

分析試料の採り方は,次のとおりとする。

a)

塩化物イオンの流出を避けるため,コアからコンクリート切片を乾式コンクリートカッターを用いて

切り出す。

b)

コア試料を等間隔でスライスして分析用試料とする場合,スライスの厚さは目的に応じて定める。

注記  スライスの厚さを 10∼20 mm とすることが多い。

c)

コンクリート切片は,まず異物の混入を防ぐため粉砕用装置・器具などを清掃し,次いでジョークラッ

シャー又は鉄乳鉢を用いて,粗骨材を含めて約 5 mm 以下まで全量粉砕し,炭酸化を避ける目的で脱

炭酸デシケーター,真空デシケーターで保存する。

A.5.2 

分析試料の調整 

分析試料の調整は,次のとおりとする。

a)

分析試料は平均組成を表すように注意して採取しなければならない。

b)

分析試料は,約 5 mm 以下に粉砕して乾かしたものから,全塩化物イオン又は温水抽出塩化物イオン

のいずれか一方を分析する場合は約 50 g,両者を分析する場合には約 100 g はかりとり,振動ミル又

は鉄乳鉢を用いて JIS Z 8801-1 の試験用ふるいの 150 μm を全通されるように粉砕したものを平底磁器

蒸発皿(直径 160 mm)に入れ,広げて一昼夜乾かした後よく混合し,これをビンに移し入れ密封し

て保管することによって調整する。自然界より高温となる人為的な乾燥では複雑な塩類が変化するお

それがあるので,自然乾燥としたが,全塩化物イオン量の場合は 105  ℃の絶乾でもよい。

注記  直径 100 mm のコンクリートコアでスライスの厚さが 20 mm,15 mm,10 mm の場合に,試

料の量はそれぞれ約 360 g,約 270 g,約 180 g を得ることができ,直径 75 mm のコンクリー

トコアでスライスの厚さが 20 mm,15 mm,10 mm の場合に,試料の量は,それぞれ約 200 g,

約 150 g,約 100 g を得ることができる。

A.6 

報告 

A.6.1 

必ず報告する事項 

必ず報告する事項は,次による。

a)

対象構造物

b)

試料の名称

c)

試料の採取位置,採取方法及び形態

d)

試料の調整方法

e)

採取年月日

A.6.2 

必要に応じて報告する事項 

必要に応じて報告する事項は,次による。

a)

採取位置のスケッチ

b)

コアの切取方法


14

A 1154

:2011

c)

スライスの方法

d)

かぶり

e)

付着物の有無

f)

コアの外観・色

g)

粗骨材の最大寸法


15

A 1154

:2011

附属書 B

(参考)

硬化コンクリート中に含まれる温水抽出塩化物イオンの分析方法

この附属書は,本体に関連する事項を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1 

適用範囲 

この附属書は,硬化コンクリートに含まれる塩素イオンを,50  ℃温水に抽出し,分析する方法について

記述する。

B.2 

試験用器具 

試験用器具は,次のものを用いる。

a)

ふた付ポリプロピレン瓶(200 ml 又は 500 ml)

b)

共栓付三角フラスコ(200 ml)

c)

コニカルフラスコ(300 ml)

d)

ビーカー

e)

時計皿

f)

ガラス漏斗

g)

ブフナー漏斗

h)

吸引装置

i) pH

試験紙

j)

しんとう器と保温容器又は水浴付きマグネチックスターラー及び回転子

B.3 

試薬 

硝酸溶液(1+6)は,JIS K 8541 に規定する硝酸を用いて調整する。

B.4 

試料のはかりとり量 

試料は 10 g をはかりとる。試料のはかりとりには,はかりを用いて,規定された量を 0.01 g の桁までは

かる。

B.5 

温水抽出塩化物イオンの抽出方法 

B.5.1 

概要 

試料を 50  ℃に温め,50  ℃の温水を加えて保温し,30 分間しんとう又はかき混ぜて塩化物イオンを抽出

する。保温して静置した後,溶液を吸引ろ過し,ろ液を作成する。

B.5.2 

操作 

塩化物イオンの抽出操作は,次による。

a)

使用器具及びろ紙は,全て乾いたものを使用する。

b)

試料 10 g を,ふた付ポリプロピレン瓶(200 ml 又は 500 ml)

,共栓付三角フラスコ(200 ml)又はコ

ニカルフラスコ(300 ml)にはかりとり,50±1  ℃に温める。次いで水 50 ml をはかりとり,水温を


16

A 1154

:2011

50±1  ℃に温めてから加える。

c)

ふた又は栓をした後,保温容器に入れてしんとう器にかけるか,又はマグネチックスターラー上に 50

±1  ℃に調整した水浴を載せ,若しくは 50±1  ℃に調整できるホッティングスターラーを用いて,30

分間しんとう又はかき混ぜて塩化物イオンを抽出する

1)

d)  5

∼10 分間保温のまま静置し,粒子を沈降させた後,必要であればコニカルフラスコ(300 ml)に漏

斗及びろ紙(5 種 B15 cm)を用いてろ過,又はビーカー(200 ml)にブフナー漏斗及びろ紙(5 種 B7

cm)を用いて吸引ろ過し,時計皿に載せて常温まで冷却する。

e)

直ちに塩化物イオンの分析を行う。直後に分析を行えない場合には硝酸溶液(1+6)を加えて中性と

して,保存する

2)

1)

  50

±1  ℃に調整できるホッティングスターラーを用いてもよい。

2)

  ろ液は大気と触れると,不溶性の炭酸カルシウムを生成する。このためできるだけ短い時間で

分析を行うことが望ましい。保存する場合には中性にすると炭酸カルシウムの生成は防げる。

f)

ポリプロピレン瓶(500 ml の場合)及び保温容器の一例を

図 B.1 に示す。

単位  mm

図 B.1−ポリプロピレン瓶(500 ml)及び保温容器の一例

B.6 

温水抽出塩化物イオンの定量方法 

温水抽出塩化物イオンの分析は,本体に示す試験方法による。


17

A 1154

:2011

B.7 

報告 

報告は,箇条 14 による。

参考文献  JIS A 1107  コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法

JIS Z 8801-1

  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい


附属書 C

(参考)

技術上重要な改正に関する新旧対照表

現行規格(JIS A 1154:2011)

旧規格(JIS A 1154:2003)

改正理由

箇条番号
及び題名

内容

箇条番号
及び題名

内容

8  試 験 方

塩化物イオンの定量方法の一つとし
て,サプレッサ方式のイオンクロマト
グラフ法を規定。また,

“12.1  概要”

及び“12.5  操作”において,その変
更に伴う修正を行った。

8.  試 験 方

塩化 物イオンの 定量方法の一つ とし
て,イオンクロマトグラフ法を規定。
また,“12.1  概要”及び“12.5  操作”

においても,その前提で規定。

サプレッサを用いないイオンクロマトグラフでは,塩
化物イオンの測定精度に問題があることを考慮し,サ
プレッサ方式のイオンクロマトグラフを標準としたこ

とによる。

9  塩 化 物
イ オ ン 電
極 を 用 い
た 電 位 差

滴定法

“9.1  概要”において,0.005 mol/l,
0.01 mol/l 若しくは 0.1 mol/l 硝酸銀溶
液で滴定する旨記載。また,“9.2  試
薬”

“9.4  操作”及び“9.5  計算”に

おいて,その変更に伴う追記を行っ
た。

9.  塩 化 物
イ オ ン 電
極 を 用 い
た 電 位 差

滴定法

“9.1  概要”において,0.1 mol/l 硝酸銀

溶液で滴定する旨記載。また,

“9.2  試

薬”

“9.4  操作”及び“9.5  計算”にお

いても,その前提で規定。

滴定液量を確保するため,想定される塩化物イオン濃

度に応じて,硝酸銀溶液濃度を選定するよう変更した
ため。

10.2  試 薬
及び 
12.2  試薬

塩化物イオン標準液の調整に当たり,
計量法に基づく校正事業者によって
校正された塩化物イオン標準液につ

いて追記した。

10.2  試 薬
及び 
12.2  試薬

塩化物イオン標準液の調整について記
載。

計量法に基づく校正事業者によって校正された塩化物
イオン標準液(1 000,100 mgCl

/l)が市販されている

ことを考慮した。

18

A

 1

154


201

1