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A 1153:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 試験用装置,測定用装置及び器具 ························································································ 1 

3.1 試験用装置 ··················································································································· 1 

3.2 測定用装置及び器具 ······································································································· 1 

4 二酸化炭素 ······················································································································ 2 

5 供試体···························································································································· 2 

5.1 供試体の形状・寸法 ······································································································· 2 

5.2 供試体の個数 ················································································································ 2 

5.3 供試体の作り方 ············································································································· 2 

5.4 型枠の取外し ················································································································ 2 

5.5 前養生 ························································································································· 2 

6 試験方法 ························································································································· 2 

6.1 中性化の促進方法 ·········································································································· 2 

6.2 中性化深さの測定方法 ···································································································· 2 

6.3 割裂面又は切断面のシール······························································································· 3 

7 計算······························································································································· 3 

8 報告······························································································································· 3 

8.1 必ず報告する事項 ·········································································································· 3 

8.2 必要に応じて報告する事項······························································································· 4 

附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表······························································· 5 

A 1153:2012  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS A 1153:2003は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

A 1153:2012 

コンクリートの促進中性化試験方法 

Method of accelerated carbonation test for concrete 

適用範囲 

この規格は,雰囲気中の二酸化炭素濃度を高くすることによってコンクリートの中性化を促進させた場

合の,中性化深さを測定する方法について規定する。 

この試験方法は,コンクリート構造物における中性化抵抗性の直接的評価,及び/又は中性化抵抗性に

よって定まるコンクリート構造物の耐用年数予測を行うためのものではない。 

なお,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書Aに記載する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1132 コンクリート強度試験用供試体の作り方 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方 

JIS A 1152 コンクリートの中性化深さの測定方法 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS K 1106 液化二酸化炭素(液化炭酸ガス) 

試験用装置,測定用装置及び器具 

3.1 

試験用装置 

試験用装置は,供試体に所定の促進中性化の条件を与えるのに必要な温度及び湿度制御装置,二酸化炭

素濃度制御装置,試験槽,温度及び湿度測定装置,並びに二酸化炭素濃度測定装置からなるものとし,温

度を1 ℃,相対湿度を1 %,二酸化炭素濃度を0.1 %まで読み取れるものとする。 

3.2 

測定用装置及び器具 

測定用装置及び器具は,次のうち必要なものを用いる。 

a) 供試体を割裂できる圧縮試験機,曲げ試験機,ハンマーなどの装置又は器具 

b) 供試体を切断できるコンクリートカッターなどの装置 

c) 測定面に付着するコンクリートの小片又は粉を除去できるはけ,電気掃除機などの器具 

d) ドライヤ 

e) 噴霧器 

f) 

JIS B 7507に規定するノギス,又はJIS B 7516に規定する金属製直尺で0.5 mmまで読み取れるもの。 

A 1153:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

二酸化炭素 

試験に使用する二酸化炭素は,JIS K 1106に適合する液化二酸化炭素又はこれと同等の品質をもつもの

とする。 

供試体 

5.1 

供試体の形状・寸法 

供試体の断面は,正方形でその一辺の長さは100 mmとし,供試体の長さは400 mmを基本とする1)。 

なお,粗骨材の最大寸法は,供試体断面の一辺の3分の1以下とする。 

注1) 試験の目的によっては,他の形状・寸法の供試体を用いてもよい。 

5.2 

供試体の個数 

供試体の個数は,同一条件の試験に対して3個とする。 

5.3 

供試体の作り方 

供試体の作り方は,JIS A 1138及びJIS A 1132の5.2(器具),5.3(コンクリートの打込み)による。 

注記 供試体上面のならしの際には,打込みが終わった後,上面の余分のコンクリートをかき取り,

木ごてでならした後,適切な時期に金ごてで仕上げると,供試体上部近辺における中性化深さ

のばらつきなどが小さくなる。 

5.4 

型枠の取外し 

型枠の取外しは,コンクリートを詰め終わった後,その硬化を待って行う。型枠の取外し時期は詰め終

わってから16時間以上3日以内とする。この間供試体は振動,衝撃及び水分の蒸発を防がなければならな

い。 

5.5 

前養生 

供試体は型枠を取り外した後,材齢4週まで温度20±2 ℃の湿潤状態で養生を行う。湿潤状態を保つに

は供試体を水中又は湿潤な雰囲気中(相対湿度95 %以上)に置く。ただし,水中で養生する場合は,供試

体が絶えず新鮮な水で洗われるような状態にしてはならない。材齢4週後,相対湿度(60±5)%,温度

20±2 ℃の恒温恒湿室に材齢8週まで静置する。材齢7〜8週の間に,供試体の打込み面,底面及び両端面

を,二酸化炭素を遮断するのに十分なものでピンホールがないようにシールする。 

注記 シールは,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,アルミニウムはく(箔)テープなどを用いても

よい。 

試験方法 

6.1 

中性化の促進方法 

中性化の促進条件は,温度20±2 ℃,相対湿度(60±5)%,二酸化炭素濃度(5±0.2)%とする。供試

体個々の環境条件が等しくなるように,各供試体は20 mm以上の間隔をとっておくものとする。供試体は

側面が鉛直となるように設置する。 

所定の促進期間に達するまで,中性化の促進条件を継続して供試体に与えることを原則とする。停電等

によって,やむを得ず中性化促進を一時中断した場合であっても,中断期間の累計は,1週間を超えては

ならない。 

6.2 

中性化深さの測定方法 

測定面は,所定の促進期間に達した時点で,図1 a)に示すように,供試体の長さ方向と直角に供試体を

端部から約60 mmの位置で割裂又は切断した面とする。測定面の準備及び測定方法は,JIS A 1152の箇条

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A 1153:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5(測定方法)による。測定箇所は,図1 b)に示すように,1側面につき6等分した5か所とする。 

注記 測定は,促進試験開始後,促進期間が1,4,8,13,26週になったときに行うとよい。 

なお,試験の目的によっては,上記以外の促進期間でもよい。 

単位 mm 

a) 

b) 

図1−中性化深さの測定位置 

6.3 

割裂面又は切断面のシール 

測定を継続する供試体の割裂面又は切断面は,5.5に従ってシールし,その後,直ちに6.1に従い試験を

継続する。供試体を試験槽に戻す際には,試験槽内に定位置を定めないで戻すか,又はあらかじめ定めた

方式に従って位置を変えて戻す。 

計算 

中性化深さは,各供試体の2面,10か所の平均値と,3個の供試体の各2面,合計6面の30か所の平均

値を各々計算し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。 

注記 中性化の速さを表す方法として,中性化深さ(mm)を促進開始時からの期間(週)の平方根

で除して求めた中性化速度係数(

/

mm

)が用いられることがある。 

報告 

8.1 

必ず報告する事項 

必ず報告する事項は,次による。 

a) 供試体製作年月日 

b) 使用材料の種類及び品質 

c) コンクリートの配合 

d) フレッシュコンクリートの空気量,単位容積質量,スランプ及び練上がり温度 

e) 促進期間 

f) 

試薬の噴霧から中性化深さの測定までの時間 

g) 各測定時における各供試体の中性化深さの平均値(mm),及び供試体3個の平均値(mm) 

h) 薄赤紫色に呈色した部分の有無(ありの場合はその状況を写真などで記録する。) 

A 1153:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.2 

必要に応じて報告する事項 

必要に応じて報告する事項は,次による。 

a) コンクリートの圧縮強度 

b) 各測定時における各供試体の中性化の状態写真 

c) 中性化速度係数(

/

mm

) 

d) 型枠取外し時期 

e) 前養生方法及び期間 

f) 

試験槽内の温度(℃)及び相対湿度(%) 

g) 供試体の形状・寸法 

h) 二酸化炭素濃度(%) 

i) 

中性化深さを測定するときに用いた試薬 

j) 

試験を一時中断した場合の中断期間と,その間の二酸化炭素濃度の記録など 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1153:2012) 

旧規格(JIS A 1153:2003) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

2 引用規格 

旧規格にJIS B 7516を追加。 

2. 引用規格 

JIS A 1132,JIS A 1138,JIS A 1152,JIS B 
7507,JIS K 1106を引用。 

JIS A 1152との整合性をとるため。 

3.2 測定用装
置及び器具 

f) ノギス又は金属製直尺を規定。 

3.2 測定用装置
及び器具 

f) ノギスを規定。 

JIS A 1152との整合性をとるため。 

6.1中性化の促
進方法 

中性化の促進条件は,継続して供試体に
与えることを原則とすることを規定。 
やむを得ず中性化促進を一時中断する
場合であっても,中断期間の累計は1週
間を超えてはならないことを規定。 

中性化促進を一時中断した場合を想定。 

7 計算 

中性化深さは,平均値を四捨五入によっ
て小数点以下1桁に丸めることを規定。 

7. 計算 

中性化深さは,平均値を0.5 mm単位に丸
めることを規定。 

JIS A 1152との整合性をとるため。 

8.2必要に応じ
て報告する事
項 

j) 

試験を中断した場合の中断期間と
二酸化炭素濃度の記録を旧規格に
追加。 

8.2必要に応じて
報告する事項 

a) コンクリートの圧縮強度 
b) 各測定時における各供試体の中性化

の状態写真 

c) 中性化速度係数(

/

mm

) 

d) 型枠取外し時期 
e) 前養生方法及び期間 
f) 試験槽内の温度(℃)及び相対湿度(%) 
g) 供試体の形状・寸法 
h) 二酸化炭素濃度(%) 
i) 

中性化深さを測定するときに用いた
試薬を規定 

中性化促進を一時中断した場合を想定。 

5

A

 1

1

5

3

2

0

1

2