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A 1147:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 試験用装置及び器具 ·········································································································· 1 

4 試料······························································································································· 1 

5 試験方法························································································································· 2 

6 計算······························································································································· 2 

7 報告······························································································································· 3 

附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 5 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS A 1147: 

2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1147:2019 

コンクリートの凝結時間試験方法 

Method of test for time of setting of concrete mixtures  

by penetration resistance 

適用範囲 

この規格は,貫入針を用いてコンクリートの凝結時間を試験する方法について規定する。 

なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方 

JIS A 1156 フレッシュコンクリートの温度測定方法 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい 

試験用装置及び器具 

3.1 

貫入抵抗試験装置 貫入抵抗試験装置は,次による。 

a) 貫入抵抗試験装置は,油圧又はスプリングを介して貫入針に貫入力を与える機構をもつものとする。 

b) 貫入抵抗試験装置は,貫入に要する力を圧力計又はスプリングによって最大1 kNまで,精度10 Nで

測定できるものとする。 

3.2 

貫入針 貫入針は,次による。 

a) 貫入針は,貫入部が均一な円形断面の鋼製で,先端を平面に仕上げたものとし,かつ,反対側を貫入

抵抗試験装置に脱着可能となるように加工したものとする。 

b) 貫入針の断面積は,100 mm2,50 mm2,25 mm2及び12.5 mm2のものを標準とする。 

なお,目的とする貫入抵抗値をより正確に測定するために断面積を変更してもよい。 

c) 貫入針は,先端から25 mmの位置の円周に刻印を付けたものとする。 

3.3 

容器 容器は,水密で十分強固なものとし,内径が150 mm以上,内高150 mm以上の金属製の円筒

形又は短辺150 mm以上,内高150 mm以上の金属製の長方体のものとする。 

3.4 

突き棒 突き棒は,その先端を半球状とした直径16 mm,長さ500〜600 mmの鋼又は金属製丸棒と

する。 

試料 

試料は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) コンクリート試料はJIS A 1138によって作るか,又はJIS A 1115によって採取したものとする。 

b) 試験に用いる試料は,採取したコンクリート試料をJIS Z 8801-1に規定する公称目開き4.75 mmの網

ふるい1)でふるったモルタル分とする。採取したコンクリート試料の温度は,JIS A 1156によって測

定する。 

注1) ふるいの寸法は5 mmと呼ぶことができる。 

試験方法 

試験は,次による。 

a) 試料のモルタルは,ハンドスコップで練り直して十分に均一なものとし,容器の軸にほぼ対称となる

ように,一層で入れる。 

b) 容器に入れた試料の上面を突き棒でならし,約1 000 mm2について1回の割合で突くものとする。こ

の割合で突いて材料の分離を生じるおそれがあるときには,分離を生じない程度に突き数を減らす。

突き終わった後,容器の側面を軽くたたいて突き穴をなくし,上面を容器の上端より約10 mm低くな

るようにならす。試料の表面は,最小の作業で平滑な面となるように,こてでならす。 

c) 試料を入れた容器を振動しないような水平な台又は床の上に置き,容器から水分が蒸発しないような

適切な蓋をする。試験中は,ブリーディング水を吸い取るとき,及び貫入試験を行うときを除き,常

に蓋をしておく。 

d) ブリーディング水がある場合には,貫入試験を行う直前に,試料の表面のブリーディング水を適切な

器具及び方法を用いて取り除く2)。 

注2) ブリーディング水を取り除く方法としては,厚さ約30 mmのブロックなどを容器の底部片側

に挟んで容器を注意深く傾けて置き,約2分後にピペットなどを用いてブリーディング水を

取り除き,その後,振動を与えないように注意して容器を元の状態に戻すなどの方法がある。 

e) 試料の硬化状態に応じて適切な断面積をもつ貫入針を選び,貫入抵抗試験装置に取り付ける。貫入針

を試料中に注意深く鉛直下方に25 mm貫入させる。貫入の深さは,貫入針に付けた刻印で確かめる。

貫入に要する時間は,約10秒とする。 

f) 

貫入試験を行った時刻及び貫入に要した力(N)を,装置から読み取って記録する。 

g) 貫入に当たっては,前の貫入試験で乱された部分を避けて貫入させるように注意する。貫入針の針跡

の純間隔は,用いる貫入針の直径の2倍以上で,かつ,15 mm以上でなければならない。また,貫入

針と容器側面との純間隔は,25 mm以上とする。 

h) 箇条6 b) で求めた貫入抵抗値が28.0 N/mm2を超えるまで貫入試験を続行する。貫入試験は,貫入抵

抗値28.0 N/mm2が得られるまで少なくとも6回行わなければならない。 

i) 

測定場所の温度及び湿度は,試験中適宜測定する。 

計算 

試験の結果は,次による。 

a) 箇条5 f) の時刻からセメントが水と最初に接触した時刻までの経過時間を分の単位まで求める。 

b) 貫入に要した力(N)を,用いた貫入針の断面積(mm2)で除し,四捨五入によって小数点以下1桁

に丸め,貫入抵抗値(N/mm2)とする。 

c) a) の経過時間を横軸にとりb) の貫入抵抗値を縦軸にとって,結果を図示する。図から貫入抵抗値が

3.5 N/mm2及び28.0 N/mm2になるまでの経過時間を適切な方法で評価又は測定し,5分の単位まで読

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

み取る。 

注記 読取方法の例を図1に示す。 

d) 貫入抵抗値が3.5 N/mm2になるまでの時間を,コンクリートの始発時間という。 

e) 貫入抵抗値が28.0 N/mm2になるまでの時間を,コンクリートの終結時間という。 

図1−凝結時間試験結果例 

報告 

報告は,次の事項について行う。 

a) 必ず報告する事項 必ず報告する事項は,次による。 

1) 測定年月日 

2) コンクリート試料の温度(℃) 

3) 測定場所の温度(℃)及び湿度(%)(履歴) 

4) 始発時間及び終結時間 

例 5時間0分 

5) 凝結時間試験結果の図 

b) 必要に応じて報告する事項 必要に応じて報告する事項は,次による。 

1) コンクリート試料の配合 

2) コンクリート試料の材料 

3) コンクリート試料のスランプ(cm)又はスランプフロー(mm),空気量(%) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) 目的とする貫入抵抗値までの時間 

例 5時間0分 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1147:2019) 

旧規格(JIS A 1147:2007) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

3.4 突き棒 

突き棒は,その先端を半球状とした直径16 mm,長
さ500〜600 mmの鋼又は金属製丸棒とする。 

3.4 突き棒 

突き棒は,直径16 mm,長さ500 mmの丸鋼と
し,その先端を半球状にしたものとする。 

突き棒の長さ及び材質を他のフレ
ッシュコンクリート試験規格(JIS 
A 1101,JIS A 1128等)に整合した。 

5 試験方法 d) ブリーディング水がある場合には,貫入試験を

行う直前に,試料の表面のブリーディング水を
適切な器具及び方法を用いて取り除く2)。 

注2) ブリーディング水を取り除く方法とし

ては,厚さ約30 mmのブロックなどを
容器の底部片側に挟んで容器を注意深
く傾けて置き,約2分後にピペットな
どを用いてブリーディング水を取り除
き,その後,振動を与えないように注
意して容器を元の状態に戻すなどの方
法がある。 

5 試験方法 d) ブリーディング水がある場合には,貫入試

験を行う直前に,試料の表面のブリーディ
ング水をピペット,その他の適切な器具を
用いて吸い取る。 

なお,ブリーディング水を取除く際は,

貫入試験を行う約2分前に,厚さ約30 mm
のブロックなどを容器の底部片側に挟ん
で容器を注意深く傾けて置く。ブリーディ
ング水を取り除いた後,振動を与えないよ
うに注意して容器を元の状態に戻す。 

ブリーディング水がある場合の取
り除く器具を“ピペット,その他の
適切な器具”から,“適切な器具及
び方法を用いる”に変更した。 

なお,以降の記載内容は,ブリー

ディング水の取り除き方法の一例
を示しており,“注”とした。 

6 計算 

c) a) の経過時間を横軸にとりb) の貫入抵抗値を

縦軸にとって,結果を図示する。図から貫入抵
抗値が3.5 N/mm2及び28.0 N/mm2になるまでの
経過時間を適切な方法で評価又は測定し,5分
の単位まで読み取る。 

6 計算 

c) a) の経過時間を横軸にとりb) の貫入抵

抗値を縦軸にとって,結果を図示する。図
から貫入抵抗値が3.5 N/mm2及び28.0 
N/mm2になるまでの経過時間を直線補間
などにより,5分の単位まで読みとる。 

計算結果の図示方法を,“直線補間
などにより”から“適切な方法で評
価又は測定し”に変更した。 

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