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A 1127

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  装置

1

3.1

  駆動回路

1

3.2

  ピックアップ回路

2

3.3

  供試体の支持台

2

4

  供試体

3

5

  試験方法

3

5.1

  質量及び寸法の測定

3

5.2

  たわみ振動の場合の共鳴数の決定

3

5.3

  縦振動の場合の共鳴数の決定

4

5.4

  ねじり振動の場合の共鳴数の決定

4

6

  計算

4

6.1

  動弾性係数

4

6.2

  動せん断弾性係数

5

6.3

  動ポアソン比

6

7

  報告

6


A 1127

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本コン

クリート工学協会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 1127:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 A

1127

:2010

共鳴振動によるコンクリートの動弾性係数, 
動せん断弾性係数及び動ポアソン比試験方法

Methods of test for dynamic modulus of elasticity, rigidity and Poisson's ratio

of concrete by resonance vibration

序文

この規格は,気象条件,凍結融解作用,化学的作用など,コンクリートに変化を生じさせる環境条件の

もとに置かれたコンクリート供試体の動弾性係数,動せん断弾性係数及び動ポアソン比の変化を測定する

試験に用いる。

1

適用範囲

この規格は,コンクリートの円柱形及び角柱形供試体の縦振動,たわみ振動及びねじり振動の一次共鳴

振動数を求め,これから動弾性係数,動せん断弾性係数及び動ポアソン比を求める場合の試験の方法につ

いて規定する。

注記  この規格によって試験した場合,同一のコンクリートから作った供試体でも,供試体の含水率,

形状・寸法が相違すると試験値が異なることがある。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 1107

  コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法

JIS A 1114

  コンクリートからの角柱供試体の採取方法及び強度試験方法

JIS A 1132

  コンクリート強度試験用供試体の作り方

3

装置

装置は,次のもので構成する(

図 参照)。

3.1

駆動回路  駆動回路は,振動数が可変の発振器,増幅器及び駆動端子で構成する。

a)

発振器は,振動数が 500∼10 000 Hz のもので,誤差が±2  %で振動を調整できるものがよい。

なお,この調整における振動数の検定には,陰極線オシロスコープ及び 1 000 Hz の音さ標準発振子

を用いるとよい。

注記  強度の高いコンクリートなどの縦振動を測定するときには,共鳴振動数が 10 000 Hz を超え

ることがあり,その場合には最大振動数が 20 000 Hz 程度の機種を用いるのがよい。

b)

発振器と増幅器とを組み合わせたものは,所要の出力を出すことができるとともに,その出力を適切

に制御できるものとする。また,発振器と増幅器とを組み合わせたときの出力電圧の変化は,発振器


2

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の振動数の全範囲内において,±20  %とする。

c)

駆動端子は,

発振器及び増幅器の出力を最大にした場合でも,

供試体を十分に駆動できるものとする。

なお,駆動端子が固定式でない場合には,駆動部分の質量はできるだけ小さくし,駆動端子の支持

物は,供試体の振動をできるだけ拘束しないものとして,試験結果に影響を及ぼさないようにする。

d)

駆動端子は,供試体に接触させたときに,偽共鳴

1)

が生じないものとする。

1)

ここでいう偽共鳴とは,供試体の一次共鳴振動とは無関係のものをいう。

3.2

ピックアップ回路  ピックアップ回路は,ピックアップ,増幅器及び指示器で構成する。

a)

ピックアップは,供試体の振幅,振動の速度又は加速度に比例した電圧を発生するものとする。

ピックアップは,供試体の形状・寸法などに応じたもので,適切な一次共鳴振動数を示すものとし,

その振動部分の質量は,供試体に比較してできるだけ小さいものとする。また,ピックアップの特性

曲線は,そのピックアップを使用する振動数の範囲内で平たんなものとする。

b)

増幅器は,指示器を働かせるのに十分な出力をもち,かつ,出力を制御できるものとする。

c)

指示器は,電圧計と,必要に応じて陰極線オシロスコープ,微小電流計などとする。

図 1−装置の配置並びに駆動回路及びピックアップ位置の例

3.3

供試体の支持台  支持台は,供試体の振動をあまり拘束しないように構成する。このためには,振

動の節の近くでナイフエッジ,

又は厚いスポンジゴムなどで供試体を支持すればよい。

縦振動の場合には,


3

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供試体を水平な支持台の上に置き,供試体端面に駆動端子を接触させてもよい。また,支持台の寸法は,

その固有振動数が,測定する供試体の振動数の範囲外となるよう定める。

4

供試体

供試体は JIS A 1107JIS A 1114 又は JIS A 1132 によって作製したものを用いる。ただし,供試体の寸法

及び寸法比は,次の a)∼c)  によってもよい。

a)

たわみ振動の場合,供試体の長さと振動方向の厚さとの比は 3∼5 とするのがよい。

注記  供試体の長さと振動方向の厚さとの比が非常に大きかったり非常に小さかったりすると,一

次共鳴振動数を正確に求めるのが困難となる。箇条 の式は,この比が 2 以上の場合に適用

できる。

b)

縦振動の場合,供試体の断面寸法は 100 mm 以上とし,供試体の長さと断面寸法との比は 2 以上とす

る。

注記  断面寸法は,円柱供試体の場合は直径,角柱供試体の場合は一辺の長さ(長方形断面の場合

はその短辺)を示す。供試体の断面寸法が非常に小さかったり,供試体の長さと断面寸法と

の比が非常に小さかったりすると,一次共鳴振動数が求めにくかったり,発振器の振動数の

範囲外になったりするため,正確な測定ができない場合がある。

c)

ねじり振動の場合,a)  に示すとおりとする。

5

試験方法

5.1

質量及び寸法の測定

供試体の質量は±0.5  %の精度で量る。長さは±0.5  %の精度で数箇所を測定し,その平均から求める。

また,断面の寸法は±1  %の精度で数箇所を測定し,その平均から求める。

なお,同一の供試体を用いる継続的な試験で,供試体の質量及び断面の寸法が変化する場合には,その

都度測定する。

5.2

たわみ振動の場合の共鳴数の決定

たわみ振動の場合の共鳴数の決定は,次による。

a)

供試体は,あまり拘束されない両端自由なたわみ振動ができるように,支持台に 3.3 と同様にして置

く。駆動力は,供試体にたわみ振動を与える方向に加える。また,駆動力を与える位置は,振動の節

から離れた位置(普通,供試体の中央部)とする。

ピックアップは,供試体の振動方向に作動するように供試体の他の端面に接触させる(

図 の 

照)

b)

発振器の振動数を変え,これに応じて供試体が振動するように駆動力を加えながら,増幅されたピッ

クアップの出力電圧を観測する。指示器に明確な最大の振れを生じ,かつ,振動の節を測定した結果

一次共鳴たわみ振動であることを確かめたときに,その場合の振動数をたわみ振動の一次共鳴振動数

とする。

たわみ振動の一次振動においては,振動の節は供試体の端からその長さの 1/4(厳密にいえば 0.224)

離れたところにある。したがって,指示器の振れも供試体の両端において最大値を示し,節において

最小値を示す。この場合,振動の節及び腹の位置を確かめるには,ピックアップを供試体の長さの方

向に移動させて指示器の振れを測定すればよい。節においては,指示器の振れが最小値を示し,腹に

おいては最大値を示す。陰極線オシロスコープを備えた装置であればリサージュの図形が節の前後で


4

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位相が変わることをオシロスコープなどで確かめてもよい。

5.3

縦振動の場合の共鳴数の決定

縦振動の場合の共鳴数の決定は,次による。

a)

供試体は,あまり拘束されない両端自由な縦振動ができるように,支持台に 3.3 と同様にして置く。

駆動力は,供試体の端面で,端面に直角に加える。

ピックアップは,供試体の振動方向に作動するように供試体の反対の端面に接触させる(

図 の B

参照)

b)

発振器の振動数を変え,これに応じて供試体が振動するように駆動力を加えながら,増幅されたピッ

クアップの出力電圧を観測し,指示器に明確な最大の振れを生じた振動数を縦振動の一次共鳴振動数

とする。

なお,必要に応じて,ピックアップを供試体の長さの方向に移動させて指示器の振れを測定して振

動の節を確かめる。

注記  縦振動の一次共鳴振動数においては,振動の節は中央に一つあるだけであり,供試体の両端

で腹になり最大の振幅を示す。

5.4

ねじり振動の場合の共鳴数の決定

ねじり振動の場合の共鳴数の決定は,次による。

a)

供試体は,あまり拘束されないで両端自由なねじり振動ができるように,支持台に 3.3 と同様にして

置く。駆動力は,供試体の一端の近くにおいてねじり振動を与えるように加える。また,駆動力を与

える位置は,振動の節から離れた位置(普通,端部に近い位置)とする。

ピックアップは,供試体の振動方向に作動するように供試体の他の端面に接触させる。

なお,たわみ振動の影響を少なくして測定するには,駆動端子を供試体端部から 0.10∼0.12  L,ピ

ックアップを反対面の端部から 0.224 に設置するとよい(

図 の 参照)。

b)

発振器の振動数を変え,これに応じて供試体が振動するように駆動力を加えながら,増幅されたピッ

クアップの出力電圧を観測する。指示器に明確な最大の振れを生じ,かつ,振動の節を測定した結果

一次共鳴ねじり振動であることを確かめたときに,その場合の振動数をねじり振動の一次共鳴振動数

とする。

注記  ねじり振動の一次振動においては,振動の節は中央に一つあるだけであり,供試体の両端で

腹になり最大の振幅を示す[5.2 b)参照]

6

計算

6.1

動弾性係数

動弾性係数は,次の式によって求める。

a)

たわみ振動の場合

2

1

4

3

3

10

61

.

1

mf

d

T

L

E

D

×

=

(円柱供試体)

2

1

3

3

4

10

47

.

9

mf

bt

T

L

E

D

×

=

(角柱供試体)

ここに,

E

D

動弾性係数(N/mm

2

L

供試体の長さ(mm)

d

円柱供試体の直径(mm)


5

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b

t

角柱供試体の断面の各辺の長さ(mm)

t

は,振動方向の辺の長さとする。

m

供試体の質量(kg)

f

1

たわみ振動の一次共鳴振動数(Hz)

T

修正係数(

表 参照)

回転半径(K

(円柱供試体に対しては d/4,角柱供試体に対

しては t/3.464)と長さ(L)及びポアソン比(v

D

)によって

求める。

b)

縦振動の場合

2

2

3

10

00

.

4

mf

A

L

E

D

×

=

ここに,

E

D

動弾性係数(N/mm

2

L

供試体の長さ(mm)

A

供試体の断面積(mm

2

m

供試体の質量(kg)

f

2

縦振動の一次共鳴振動数(Hz)

表 1−修正係数(T)の値

K/L

T

a)

K/L

T

a)

0.00 1.00 0.09 1.60

0.01 1.01 0.10 1.73

0.02 1.03 0.12 2.03

0.03 1.07 0.14 2.36

0.04 1.13 0.16 2.73

0.05 1.20 0.18 3.14

0.06 1.28 0.20 3.58

0.07 1.38 0.25 4.78

0.08 1.48 0.30 6.07

a)

動ポアソン比を 1/6 として計算した値である。動ポ
アソン比が v

D

である場合には,次の式によって求

めた '

を用いる。

+

+

+

=

L

K

L

K

T

T

D

D

/

8

132

.

0

1

/

)

6

222

.

3

26

.

0

(

1

'

2

ν

ν

6.2

動せん断弾性係数

動せん断弾性係数は,次の式によって求める。

2

3

3

10

00

.

4

mf

A

LR

G

D

×

=

ここに,

G

D

動せん断弾性係数(

N/mm

2

L

供試体の長さ(

mm

R

形状係数


6

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円柱供試体の場合

R=1

正方形断面の角柱供試体の場合

R=1.183

長方形断面(

a

:短辺

b

:長辺)の角柱供試体の場合

)

/

(

21

.

0

)

/

(

52

.

2

)

/

(

4

)

/

(

)

/

(

6

2

b

a

b

a

b

a

a

b

b

a

R

+

+

=

ただし,

b

a

A

供試体の断面積(

mm

2

m

供試体の質量(

kg

f

3

ねじり振動の一次共鳴振動数(

Hz

6.3

動ポアソン比

動ポアソン比は,次の式によって求める。

1

2

=

D

D

D

G

E

ν

ここに,

v

D

動ポアソン比

E

D

動弾性係数(

N/mm

2

G

D

動せん断弾性係数(

N/mm

2

7

報告

報告は,次の事項について行う。

a

)

試験年月日

b

)

供試体の質量及び寸法

c

)

供試体の含水率又は試験までの養生状態

d

)

共鳴振動数の測定方法及び測定結果

e

)

動弾性係数,動せん断弾性係数,動ポアソン比のうち,必要な測定値