サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

A 1101:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 試験器具························································································································· 2 

5 試料······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

7 結果······························································································································· 3 

8 報告······························································································································· 3 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4 

附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 7 

A 1101:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人

日本コンクリート工学会(JCI)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,
JIS A 1101:2014は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

A 1101:2020 

コンクリートのスランプ試験方法 

Method of test for slump of concrete 

序文 

この規格は,2016年に第2版として発行されたISO 1920-2を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差

異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を,附

属書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,コンクリートのスランプ試験方法について規定する。ただし,粗骨材の最大寸法が40 mm

を超えるコンクリートの場合には,40 mmを超える粗骨材を除去する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 1920-2:2016,Testing of concrete−Part 2: Properties of fresh concrete(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こと

を示す。 

引用規格 

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項

を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 0203 コンクリート用語 

JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO 1920-1:2004,Testing of concrete−Part 1: Sampling of fresh 

concrete 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203による。 

background image

A 1101:2020  

試験器具 

4.1 

スランプコーン スランプコーンは,セメントペーストに容易に侵されず,試験時に変形しない金

属製とする。スランプコーンの寸法は,図1のように上端内径100 mm,下端内径200 mm,高さ300 mm

及び厚さ5 mm以上とし,適切な位置に押さえ及び取っ手を付ける。取っ手は,高さの約2/3の位置に取
り付ける。 

単位 mm 

図1−スランプコーンの例 

4.2 

突き棒 突き棒は,直径16 mm,長さ500 mm〜600 mmの鋼などの金属製丸棒で,その先端を半球

状とする。 

4.3 

平板 平板は,十分な水密性及び剛性をもつ鋼などの金属製とし,表面が平滑なもの。その大きさ

は,スランプ試験ができる余裕をもった寸法とする。取っ手を付ける場合には,スランプの測定の障害に
ならない位置に取り付ける。 

試料 

試料は,JIS A 1115の規定によって採取するか,又はJIS A 1138の規定によって作る。 

試験方法 

試験は,次による。 

A 1101:2020  

a) スランプコーン及び平板の設置 スランプコーンは使用前に汚れ,きず及びへこ(凹)みがないこと

を目視によって確認する。スランプコーンの内面及び平板の上面は,あらかじめ湿布などで拭いてお
く。スランプコーンは,水平に設置した平板上に置く。 

なお,水平の確認は,水準器を用いて行う。 

b) 試料の詰め方 試料はほぼ等しい量の3層に分けて詰める。その各層は,突き棒でならした後,25回

偏りがないように一様に突く。この割合で突いて材料の分離を生じるおそれのあるときは,分離を生
じない程度に突き数を減らす。各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは,その前層にほぼ達する程度
とする。 

c) スランプの測定 スランプコーンに詰めたコンクリートの上面をスランプコーンの上端に合わせて

ならす。突固めによって試料の上面がスランプコーンの上端よりも低くなった場合は,少量の同じコ

ンクリートの試料を足して上面をならす。その後,平板にこぼれた試料を湿布などで取り除き,直ち
にスランプコーンを静かに鉛直に連続して引き上げる。スランプコーンを引き上げる時間は,高さ300 

mmで2秒〜3秒とする。その後,コンクリートの中央部において下がりを0.5 cm単位で測定し,こ
れをスランプとして記録する。 

なお,コンクリートがスランプコーンの中心軸に対して偏ったり,くずれたりして,形が不均衡に

なった場合は,別の試料を用いて再試験する。スランプコーンにコンクリートを詰め始めてからスラ
ンプコーンの引き上げ終了までの時間は,3分以内とする。 

結果 

スランプ試験の結果は,0.5 cm単位で表示する。 

報告 

報告は,次の事項について行う。 

a) 必ず報告する事項 

1) 試験年月日 

2) バッチ番号又は運搬車番号 

3) 粗骨材の最大寸法(mm) 

4) スランプ(cm) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) 天候 

2) 気温又は試験室の温度(℃) 

3) 突き回数(材料分離のおそれがあり,突き回数を減らした場合) 

background image

A 1101:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 1101 

ISO 1920-2:2016,(MOD) 

a) JISの 

箇条 
番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の内容及

び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に
対する今後の対策 

一致 

− 

− 

4.1 

変更 

JISでは,40 mmを超える粗骨材を用いたコンク
リートの場合には,40 mmを超える粗骨材は除去
する。ISO規格では,骨材最大寸法が40 mmを
超えるときは適用できない。 
これまでの試験データの蓄積等もあるため,従来
の表現とする。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

削除 

ISO規格では,気泡コンクリート,細骨材を含ま
ないコンクリートに適用できない。 
これまでの試験データの蓄積等もあるため,追加
は行わない。 

国内の実情に合わせて
の削除で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.3.1 

削除 

ISO規格では,スランプ10 mm〜210 mmの範囲
のコンクリートに適用する。コーンを抜いたとき
1分以上変化するときは別の試験を行う。 
これまでの試験データの蓄積等もあるため,追加
は行わない。 

国内の実情に合わせて
の削除で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

− 

− 

− 

変更 

JISでは,JIS A 0203を引用した。 

実質的な差異はない 

4.1 

4.3.2.1 

変更 

スランプコーンの規定 
寸法誤差−JIS:規定なし 
     ISO規格:±2 mm 
厚さ−JIS:5 mm以上 
   ISO規格:1.5 mmより薄くないもの 
取っ手位置−JIS:高さの約2/3の位置 
      ISO規格:高さの2/3の位置 
押さえ−JIS:押さえ 
    ISO規格:下部には固定用締め具又は踏 
    み板 
これまで国内で使用されてきたスランプコーン
の経緯を踏まえた国内の実情に合わせて変更と
する。ただし,実質的な差異はない。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

削除 

ISO規格では,スランプコーンの寸法及び状態が
許容範囲であることを毎年確認する。 
国内のこれまでの実情を踏まえて削除とする。 

国内の実情に合わせて
の削除で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

background image

A 1101:2020  

a) JISの 

箇条 
番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の内容及

び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に
対する今後の対策 

4.2 

4.3.2.2 

変更 

突き棒の規定 
寸法−JIS:直径16 mm,長さ500 mm〜600 mm 
   ISO規格:16 mm±1 mm×600 mm±5 mm 
材質−JIS:鋼などの金属製丸棒 
   ISO規格:鋼製 
ISO規格では,円形断面,真直,端部丸。 
プラスチック製のさや(鞘)管を装着可能で1 000 
mmを超えない。 
これまで国内で使用されてきた突き棒の経緯を
踏まえた国内の実情に合わせての変更とする。 

これまで国内で使用さ
れてきた突き棒の経緯
を踏まえた国内の実情
に合わせての変更で,対
応国際規格の変更の予
定はない。 

4.3 

4.3.2.5 

追加 

JISでは,取っ手を付ける場合には,スランプの
測定の障害にならない位置に取り付ける。 

国内の実情に合わせて
の追加で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

4.2 

追加 

JISでは,JIS A 1115及びJIS A 1138を追加。 
我が国では,コンクリートの作製から試験までが
一体規格となったISO規格と異なり,JIS A 1138
(試験室におけるコンクリートの作り方)が分離
しているため追加している。 

コンクリートの作り方
の規格が分離している
我が国の実情に合わせ
ての追加で,対応国際規
格の変更の予定はない。 

6 b) 

4.3.3 

変更 

詰め方 
JIS:ほぼ等しい量の3層に分けて詰める。 
ISO規格:突いた後にほぼ1/3ずつの高さになる

ように詰める。 

表現に若干の変更があるものの,実質的な差異は
ない。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

変更 

突き入れ 
JIS:前層にほぼ達する程度。偏りがないように

一様に突く。 

ISO規格:下の層に貫通する程度。各層の断面内

を一様に突く。 

表現に若干の変更があるものの,実質的な差異は
ない。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

6 c) 

4.3.3 

変更 

スランプコーンの引き上げ時間 
JIS:2秒〜3秒 
ISO規格:3.5秒±1.5秒 
これまでの試験データの蓄積等もあるため,従来
の引き上げ時間とする。 

これまでの試験データ
の蓄積等,国内の実情に
合わせての変更で,対応
国際規格の変更の予定
はない。 

変更 

測定位置 
JIS:中央部 
ISO規格:最高点。ただし,national annexで中央

部又は平均高さの測定を規定している場合
を除く。 

これまでの試験データの蓄積等もあるため,従来
の測定位置とする。ただし,中央部での測定も許
容されているため,実質的な差異はそれほど大き
くはない。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

background image

A 1101:2020  

a) JISの 

箇条 
番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の内容及

び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に
対する今後の対策 

6 c) 

4.3.4 

削除 

ISO規格では,2回の連続した試験で,形が不均
衡の場合,そのコンクリートは,プラスティシテ
ィー及び粘性を欠いており,無効であると記録す
る。 
不適合規定は技術的に常識的な内容と判断でき,
実質的な差異はない。 

国内の実情に合わせて
の削除で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

4.3.3 

一致 

− 

− 

4.3.4 

変更 

結果 
JIS:0.5 cm単位で表示 
ISO規格:10 mmまでミリメートルで表示。ただ

し,national annexで至近の5 mmの測定を
規定している場合を除く。 

これまでの試験データの蓄積等もあるため,従来
の結果表示とする。ただし,実質的な差異はない。 

国内の実情に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

4.3.5 

変更 

報告 
JIS:試験年月日,バッチ番号又は運搬車番号,粗

骨材の最大寸法,スランプの4項目。必要
に応じて天候,気温又は試験室の温度,突
き回数の3項目を追加記載。 

ISO規格:スランプ,形の不均衡の有無,試料の

識別,試験日時の4項目。ほかに共通報告
内容として9項目。 

国内の実情に合わせて項目を変更している。 

国内の実情に合わせて
の追加で,対応国際規格
の変更の予定はない。ま
た,技術的な差異は小さ
い。 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。 

− 一致:技術的差異がない。 
− 削除:対応国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加:対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更:対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。 

注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。 

− MOD:対応国際規格を修正している。 

background image

A 1101:2020  

附属書JB 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1101:2020) 

旧規格(JIS A 1101:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

1 適用範
囲 

この規格は,コンクリートのスランプ試験方法
について規定する。ただし,粗骨材の最大寸法
が40 mmを超えるコンクリートの場合には,40 
mmを超える粗骨材を除去する。 

1. 適用範
囲 

この規格は,コンクリートのスランプ試験につ
いて規定する。 

備考1. 粗骨材の最大寸法が40 mmを超える

コンクリートの場合には,40 mmを超
える粗骨材を除去する。 

備考1.の内容は要求事項のため本文に記
載することとした。 

2 引用規
格 

JIS A 0203 コンクリート用語 

2. 引用規
格 

− 

“3 用語及び定義”を追加したことに
よって,JIS A 0203を追加した。 

3 用語及
び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 
0203による。 

− 

− 

“3 用語及び定義”を追加した。 

4 試験器
具 
4.1 スラ
ンプコー
ン 

スランプコーンは,セメントペーストに容易に
侵されず,試験時に変形しない金属製とする。
スランプコーンの寸法は,図1のように上端内
径100 mm,下端内径200 mm,高さ300 mm及
び厚さ5 mm以上とし,適切な位置に押さえ及
び取っ手を付ける。取っ手は,高さの約2/3の位
置に取り付ける。 

3. 試験器
具 
3.1 スラ
ンプコー
ン 

スランプコーンは,図1のように上端内径100 
mm,下端内径200 mm,高さ300 mm及び厚さ5 
mm以上の金属製(1)とし,適切な位置に押さえ
と取っ手(2)を付ける。 

注(1) セメントペーストに容易に侵されない

もので,試験時に変形しないもの。 

(2) 高さの約2/3の所。 

JIS Z 8301“規格票の様式及び作成方法”
の改正に伴い,注に,要求事項,推奨事
項及び許容事項を含めてはならないこ
とから,注を本文(規定)に移動した。 

4 試験器
具 
4.3 平板 

平板は,十分な水密性及び剛性をもつ鋼などの
金属製とし,表面が平滑なもの。その大きさは
スランプ試験ができる余裕をもった寸法とす
る。取っ手を付ける場合には,スランプの測定
の障害にならない位置に取り付ける。 

3. 試験器
具 

− 

平板については旧規格の5.(試験)の中
で規定していたが,平板は試験器具のた
め,この規格では新たに4.3として規定
した。 

3

A

 1

1

0

1

2

0

2

0

background image

A 1101:2020  

現行規格(JIS A 1101:2020) 

旧規格(JIS A 1101:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

6 試験方
法 
a) 

スランプコーンは使用前に汚れ,きず及びへこ
(凹)みがないことを目視によって確認する。
スランプコーンの内面及び平板の上面は,あら
かじめ湿布などで拭いておく。スランプコーン
は,水平に設置した平板上に置く。なお,水平の
確認は,水準器を用いて行う。 

5. 試験 
a) 

スランプコーン(3)は,水平に設置した剛で水密
性があり平滑な平板(3),(4)上に置いて押さえ, 

注(3) スランプコーンの内面と平板の上面は,

あらかじめ湿布などでふいておく。 

(4) 平板の水平の確認は,水準器を用いて行

うのが望ましい。 

JIS Z 8301の改正に伴い,注に,要求事
項,推奨事項及び許容事項を含めてはな
らないことから,注(3)を本文(規定)に
移動した。 

6 試験方
法 
b) 

試料はほぼ等しい量の3層に分けて詰める。そ
の各層は,突き棒でならした後,25回偏りがな
いように一様に突く。この割合で突いて材料の
分離を生じるおそれのあるときは,分離を生じ
ない程度に突き数を減らす。各層を突く際の突
き棒の突き入れ深さは,その前層にほぼ達する
程度とする。 

5. 試験 
a) 

試料はほぼ等しい量の3層に分けて詰める。そ
の各層は,突き棒でならした後,25回一様に突
く。この割合で突いて材料の分離を生じるおそ
れのあるときは,分離を生じない程度に突き数
を減らす。各層を突く際の突き棒の突き入れ深
さは,その前層にほぼ達する程度とする。 

各層の突き方の具体性を示すために,偏
りがないように一様に突くとした。 

6 試験方
法 
c) 

スランプコーンに詰めたコンクリートの上面を
スランプコーンの上端に合わせてならす。突固
めによって試料の上面がスランプコーンの上端
よりも低くなった場合は,少量の同じコンクリ
ートの試料を足して上面をならす。その後,平
板にこぼれた試料を湿布などで取り除き,直ち
にスランプコーンを静かに鉛直に引き上げる。
スランプコーンを引き上げる時間は,高さ300 
mmで2秒〜3秒とする。その後,コンクリート
の中央部において下がりを0.5 cm単位で測定
し,これをスランプとして記録する。 
なお,コンクリートがスランプコーンの中心軸
に対して偏ったり,くずれたりして,形が不均
衡になった場合は,別の試料を用いて再試験す
る。スランプコーンにコンクリートを詰め始め
てからスランプコーンの引き上げ終了までの時
間は,3分以内とする。 

5. 試験 
b) 

スランプコーンに詰めたコンクリートの上面を
スランプコーンの上端に合わせてならした後,
直ちにスランプコーンを静かに鉛直に引き上げ
(5),コンクリートの中央部において下がりを0.5 
cm単位で測定し,これをスランプとする。 
なお,コンクリートがスランプコーンの中心軸
に対して偏ったり,くずれたりして,形が不均
衡になった場合は,別の試料によって再試験す
る。 

注(5) スランプコーンを引き上げる時間は,高

さ30 cmで2〜3秒とする。 

スランプ測定のコンクリートの試料の
量を一定とするため,説明を追記した。
このとき,ペーストやモルタル成分の多
い部分を意図的に追加した場合,スラン
プの測定値に影響する可能性も否定で
きないため,追加する試料は,“同じコン
クリートの試料”であることを明示し
た。 
また,平板にこぼれた試料の有無によっ
て測定値が変わるため,湿布などで取り
除く具体的な内容を追記した。 
さらに,一般コンクリートのスランプ測
定の標準として,スランプコーンの引き
上げ時間の標準は重要であるため,注か
ら本文に移行した。 

3

A

 1

1

0

1

2

0

2

0

background image

A 1101:2020  

現行規格(JIS A 1101:2020) 

旧規格(JIS A 1101:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

8 報告 

a) 必ず報告する事項 

1) 試験年月日 
2) バッチ番号又は運搬車番号 
3) 粗骨材の最大寸法(mm) 
4) スランプ(cm) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) 天候 
2) 気温又は試験室の温度(℃) 
3) 突き回数 

7 報告 

a) 必ず報告する事項 

1) 試験年月日 
2) 天候 
3) 試験室の温度又は気温(℃) 
4) バッチ番号又は運搬車番号 
5) 粗骨材の最大寸法(mm) 
6) コンクリートの温度(℃) 
7) スランプ(cm) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) 突き回数 

JIS A 1156“フレッシュコンクリートの
温度測定方法”の規格が制定されたこと
により,コンクリート温度の報告が両規
格で重複することを避け,この試験規格
ではスランプの試験方法に限定するた
め,コンクリートの温度を削除した。ま
た,これまで必ず報告する事項と必要に
応じて報告する事項が,JIS A 1150“コン
クリートのスランプフロー試験方法”と
の間で整合していなかった。しかし,同
種の試験方法の規格であるため,JIS A 
1150と同時改正となる今回,上記のコン
クリート温度の削除とともに,報告事項
の内容を協議し,スランプの試験方法に
限定した報告事項となるように整合さ
せた。 

3

A

 1

1

0

1

2

0

2

0