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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 0030-1994 

建築の部位別性能分類 

Classification of performance for building elements 

1. 適用範囲 この規格は,建築の部位(壁,床,天井及び屋根)の性能を表すために表1,表2及び表3

に定める性能項目,測定及びその単位並びにそれに基づく級別について規定する。 

なお,ここでいう性能とは,建築物の構造耐力に関するものを含まないものとする。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 1304 建築構造部分の耐火試験方法 

JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法 

JIS A 1414 建築用構成材(パネル)及びその構造部分の性能試験方法 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。 

2. 性能項目 性能項目は,表1のとおりとする。

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A 0030-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 

性能項目 

性能項目の意味 

備考 

反射性 

光を反射する程度 

作用因子を制御す
るための性能 

断熱性 

常温における熱の貫流に対する抵
抗の程度 

遮音性 

空気伝ぱん音を遮る程度 

衝撃音遮断性 

歩行などによって起こる発音が直
下階の室内に伝わらない程度 

吸音性 

音を吸収する程度 

防水性 

雨水などの水を通さない程度 

防湿性 

湿気を通さない程度 

気密性 

気圧差によって生じる空気の透過
に対する抵抗の程度 

耐分布圧性 

各部位にかかる分布荷重による曲
げ力に耐える程度 

建物の存続と安全
に関する性能 

耐衝撃性 

衝突物などによって起こる衝撃力
に耐える程度 

耐局圧性 

局部圧縮荷重に耐える程度 

耐摩耗性 

摩耗に耐える程度 

耐火性 

火災に耐える程度 

難燃性 

燃えにくさの程度及び燃焼によっ
て起こる煙や有毒ガスを発生させ
ない程度 

耐久性 

経年によって起こる変質変形など
に耐える程度 

3. 測定項目及び測定単位 性能の測定項目及び測定単位は,表2のとおりとする。 

表2 

性能項目 

測定項目 

測定単位 

備考 

反射性 

光反射率 

(%) 

45°の可視光線に対する拡散反射率(部位
平均) 

断熱性 

熱貫流抵抗 

W/m2K {m2・h・℃ 

/kcal} 

常温における熱貫流抵抗(部位平均) 

遮音性 

透過損失 

dB 

指定周波数における透過損失(部位平均) 

衝撃音遮断性(1) 

標準曲線上の音
圧レベル差 

dB 

床衝撃音レベルの標準曲線 

吸音性 

吸音率 

(%) 

指定周波数における吸音率(部位平均) 

防水性 
(水密性) 

水密圧力 

Pa {kgf/m2} 

雨量4l/m2・minをかけながら,表3に示
す平均圧力を中心とした振動圧を順次加
えたときの漏水しない限界の平均圧力 

防湿性 

透湿抵抗 

m2・day・mmAq/g 部位平均の透湿量の逆数(部位平均) 

気密性 

気密抵抗 

m2h/m3 

圧力差98Pa {10kgf/m2} のときの単位面積
当たりの通気抵抗 

耐分布圧性 

単位荷重 

N/m2 {kgf/m2} 

最大たわみl/100の荷重,残留変形が最大

変形量の2.5%の荷重,破壊荷重の32の荷

重,有害な損傷を受けない範囲の荷重の4
種のうち最小のものをとる。 

耐衝撃性 

安全衝撃エネル
ギー 

N・cm {kgf・cm} 

重すいを落下したときの損傷を受けない
限界エネルギー 

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A 0030-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

性能項目 

測定項目 

測定単位 

備考 

耐局圧性 

局圧荷重 

N/cm2 {kgf/cm2} 

径25mmの半球による荷重を受けたとき
損傷を受けない範囲の荷重 

耐摩耗性 

摩耗量 

mm 

人が通常のはきもの(履物)で12万回歩
行接触したときの摩耗量 

耐火性 

加熱時間 

分 

JIS A 1304に規定する加熱時間に耐える
範囲の時間 

難燃性 

防火材料の種別 

− 

建築基準法に定める防火材料の種別で発
熱係数,発煙係数などで判定する。 

耐久性 

耐久年数 

年 

普通の状態において予想される耐久年数 

注(1) 衝撃音遮断性は,ISOによる標準曲線との音圧レベル差で級別する。 

なお,級別の限界値は,標準曲線とどれだけの差があるかで表し,標準曲線を上下に平

行移動して得られるものとする。 

標準曲線との音圧レベル差 

4. 級別 

(1) 性能の級別は,表3に示すとおりとする。 

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A 0030-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 

注(2) 耐摩耗性について,現在,部位別の摩耗を扱った試験機はなく,表3の数値は12万人の歩行による摩耗を基準と

したものである。 

(3) 建築基準法に定める防火材料 

1号:可燃,2号:準難燃,3号:難燃,4号:準不燃及び5号:不燃 

(2) 各級は性能値によって,その上限及び下限をもつものとする。 

(3) 性能の級別の呼称は号数によって行う。 

(4) 6号を超えるものは7号,1号を下まわるものは0号とする。 

5. 試験方法及び測定方法 試験方法及び測定方法は,5.1〜5.3による。 

5.1 

耐火性 JIS A 1304 

5.2 

難燃性 JIS A 1321 

5.3 

防水性 JIS A 1414 

備考 現在日本工業規格に規定されている試験方法は,表1〜表3に示された性能項目に関するもの

としては,JIS A 1304,JIS A 1321及びJIS A 1414である。このほかの性能については,試験規

格が確立するまでの間,現在一般に行われている試験方法のうちから適当なものを選んで適用

するものとする。 

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A 0030-1994  

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6. 性能表示 

6.1 

この規格は,表1〜表3に示した性能項目のうち,場合によって必要なものだけを選定して適用する

ものであり,いかなる場合にもこれらすべての性能を適用するという目的をもつものではない。 

なお,特別な目的をもつ場合は,参考表1の性能項目を用いてもよい。 

6.2 

性能の表示は,表3の級別をもとに(1)〜(4)に示す方法のいずれかによって示すものとする。 

なお,7号及び0号については上限又は下限を示さなくてもよい。 

(1) 〜号 

(2) 〜号以上 

(3) 〜号以下 

(4) 〜号から〜号 

備考 透過損失の例を,以下に示す。 

3号    :性能値で28dB以上36dB未満の範囲を示す。 

3号以上  :性能値で28dB以上の範囲を示す。 

3号以下  :性能値で36dB未満の範囲を示す。 

3号から5号:性能値で28dB以上52dB未満の範囲を示す。 

7. 級別表示の記載事項 建築部位の性能級別表示のときの記載事項は,(1)〜(2)とする。 

なお,試験方法が定まるまでは試験方法及び試験結果を併記しておくものとし,試験結果は必ず測定単

位で表すこと。 

(1) 性能項目(名称) 

(2) 性能項目別号数 

参考 建築の部位の性能を参考表1に示す。表1,表2及び表3に掲げた性能項目は,このうち一般

に主要と考えられるものについて示したものである。 

参考表1 

性能の種別 

作用因子 

性能項目 

測定項目 

性能項目の意味 

作用因子を制御する
ための性能 

光 

反射性 
光沢性 

光反射率 

光を反射する程度 
光沢の程度 

日射 

日射反射性 

日射反射率 

直接日光による屋根面の熱され
にくさ 

熱 

断熱性 

熱貫流抵抗 

常温における熱の貫流に対する
抵抗の程度 

蓄熱性 

熱容量 

温度の変動しにくさ 

音 

遮音性 

透過損失 

空気伝ぱん音を遮る程度 

吸音性 

吸音率 

音を吸収する程度 

発音性 

衝撃音レベル 

たたいた音又は衝撃音が発音し
ない程度 

衝撃音遮断性 

標準曲線上の音圧
レベル差 

歩行などによって起こる発音が
直下階に伝わらない程度 

水 

防水性 

水密圧力 

雨水などの水を通さない程度 

(透水性) 

(吸水性) 

水を吸水しない程度 

はっ水性 

水をはじく程度 

排水性 

水が円滑に排水される程度 

防湿性 

透湿抵抗 

湿気を通さない程度 

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性能の種別 

作用因子 

性能項目 

測定項目 

性能項目の意味 

作用因子を制御する
ための性能 

水 

調湿性 

単位吸湿量 

湿気を吸収又は発散する程度 

空気 

気密性 

気密抵抗 

気圧差によって生じる空気の透
過に対する抵抗の程度 

(透気性) 

小屋裏換気性 

小屋裏空気の換気性 

振動 

防振性 

振動が伝わらない程度 

人・物 

帯電防止性 

静電気がたまらない程度 

放射線 

放射線遮断性 

放射線吸収率 

建物の存続と安全に
関する性能 

力 

耐分布圧性 

単位荷重 

各部位にかかる分布荷重による
曲げ力に耐える程度 

変形能 

許容変形能 

性能を劣化させずに変形に追従
する能力 

耐せん断力性 

面外せん断耐力 

面外せん断に耐える程度 

面内せん断耐力 

面内せん断に耐える程度 

耐局圧性 

局圧荷重 

局圧に耐える程度 

耐ひっかき性 

ひっかきに耐える程度 

耐衝撃性 

安全衝撃エネルギ
ー 

衝突物などによって起こる衝撃
力に耐える程度 

耐摩耗量 

摩耗量 

摩耗に耐える程度 

熱 

耐振動性 

振動に耐える程度 

耐熱性 

熱によって起こる変質,変形,破
壊などに耐える程度 

耐寒性 

寒さによって起こる変質,変形,
破壊などに耐える程度 

水 

耐水性 

水によって起こる変質,変形,破
壊などに耐える程度 

耐湿性 

湿気によって起こる変質,変形,
破壊などに耐える程度 

薬品 

耐薬品性 

① 油脂類によって起こる変質,

変形などに耐える程度 

② 酸,アルカリによって起こる

変質,変形などに耐える程度 

③ アルコールによって起こる

変質,変形などに耐える程度 

④ 塩類によって起こる変質,変

形などに耐える程度 

⑤ その他,化学性物質によって

起こる変質,変形などに耐え
る程度 

火 

耐火性 

加熱時間 

火災に耐える程度 

難燃性 

防火材料の種別 

燃えにくさの程度及び燃焼によ
って起こる煙や有害ガスを発生
させない程度 

耐引火性,着火性 

引火着火温度 

引火又は着火のしにくさの程度 

紫外線 

耐紫外線性 

紫外線によって起こる変質など
に耐える程度 

ほこりなど 耐汚性 

① 汚れの付着しにくさの程度 
② 汚れの目立ちにくさの程度 
③ 汚れのおちやすさの程度 

虫 

耐虫性 

虫に侵されたり発生させない程
度 

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性能の種別 

作用因子 

性能項目 

測定項目 

性能項目の意味 

建物の存続と安全に
関する性能 

ねずみ 

耐そ性 

ねずみに侵されない程度 

菌 

耐食性 

菌などに腐食されない程度 

耐久 

耐久性 

耐久年数 

経年によって起こる変質,変形な
どに耐える程度 

人間などに対する感
覚又は作用に関する
性能 

(ふれる) 感触性 

人が触れたときの肌ざわり感覚
の程度 
① 硬さ,軟らかさ 
② 滑らかさ,粗さ 
③ 暖かさ,冷たさ 

防傷害性 

人間に対して傷害を与えない程
度 

人・物 

防衝撃性 

物を落としたとき,それを安全に
保つ程度 

(歩行) 防滑性 

滑りにくさの程度 

(見る) 意匠性 

人が見たときの意匠感覚の程度 
① 色 
② 質感 
③ 模様 
④ 光沢 
⑤ 形状・寸法 

人 

防振動性 

人に不快な振動を与えない程度 

備考 括弧内の作用因子は,人間の行為及び感覚についてのものである。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

建築部会 建築の部位別性能分類専門委員会 構成表(昭和48年10月16日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

狩 野 春 一 

星 野 昌 一 

東京理科大学 

池 辺   陽 

東京大学 

井 口 洋 佑 

東京理科大学 

金 子 勇次郎 

建設省住宅局 

原 野 律 郎 

通商産業省化学工業局 

三 村 由 夫 

建設省建築研究所 

永 瀬   章 

自治省消防庁 

市 橋 利 明 

工業技術院標準部 

救仁郷   斉 

建設省住宅局 

矢 崎 武 泰 

日本住宅公団 

丹 羽 篤 人 

日本住宅金融公庫 

高 桑 利 雄 

日本国有鉄道 

吉 田 邦 彦 

日本電信電話公社 

山 口 安 男 

日建設計株式会社 

藤 井 正 一 

財団法人建材試験センター 

中 川 中 夫 

大成プレハブ株式会社 

村 井   進 

プレハブ建築協会 

丸 山 貞司呂 

戸田建設株式会社 

丸 一 俊 雄 

清水建設株式会社 

安 部 一 郎 

鹿島建設株式会社 

青 木 敬二郎 

大和ハウス株式会社 

阿 部 市 郎 

永大産業株式会社 

(事務局) 

田 村 尹 行 

工業技術院標準部材料規格課 

松 本 大 治 

工業技術院標準部材料規格課 

近 藤   弘 

工業技術院標準部材料規格課 

小 林 秋 穂 

工業技術院標準部材料規格課 

(事務局) 

牛 島 宏 育 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年2月15日改正のとき) 

荒 井   淳 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年2月15日改正のとき)